看護師は皮膚科で働くとキャリアとして選べる選択肢はそれほど広くはない。一般内科や外科で働いた場合とは違って、皮膚科で学んだスキルは他の診療科での応用性があまり高くはないからである。内科での医師の診療補助は汎用性があり、色々な現場で使用されている医療機器の取り扱いスキルを身につけることが可能だ。外科では手術を補助するためのノウハウや清潔に対する正しい意識を体得することができる。しかし、皮膚科では皮膚疾患の治療にしか用いられない外用薬の知識を求められる傾向が強く、治療のときにも高度な医療機器を使用することがあまりない。そのため、皮膚科で学んだことは皮膚科で生かすのが標準的で、同じ現場で働き続ける看護師が多い。
ただ、皮膚科で身につけた知識を生かせる診療科もあるのでキャリアとして検討してみるのも手だ。形成外科や美容皮膚科では皮膚の状態を見て考える力が求められる。手術をした後のアフターケアに使用する薬も皮膚科で使用されているものが多いため、薬の知識も活用して働くことが可能だ。形成外科や美容皮膚科は関連性が高い診療科なので転職先としては有望なのである。また、小児科や婦人科も患者がいるので候補として検討してみると良いだろう。小児科ではあらゆる症例に対して治療をするので皮膚疾患の治療もすることが多い。婦人科では更年期障害による肌のトラブルの悩みを相談する患者が多いため、現場経験を生かした対応をすれば活躍できる。